わたしからあなたへ~学校司書のよろず日記~

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「活字の林をさまよい 思考の泉のほとりにたたずむ」椋鳩十記念館@鹿児島

SLA九州大会終了後、椋鳩十さんが昭和22年から19年間館長を務めておられた鹿児島県立図書館をあとにして、姶良市加治木町まで足を延ばしました。
動物の生態を正確に描き、人間と動物が共存することの大切さを訴える椋鳩十さんの動物文学が生まれた場所が加治木町です。
その縁で、平成2年に加治木町の文化施設として「椋鳩十記念館」は開館しました。

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椋鳩十さんの本名は久保田彦穂(くぼたひこほ)。
日本神話の「海幸山幸」の山幸彦「ヒコホホデノミコト」にあやかって付けられたそうです。
長野県に生まれた彼は、法政大学卒業後、ジャック・ロンドンの「南洋物語」に魅せられ南洋に行くつもりが、義父に反対され断念。当時鹿児島にいたお姉さん(県立病院の眼科医)の世話で中種子高等小学校の代用教員を3ヶ月勤めた後、加治木高等女学校の国語教師となり、以来鹿児島に永住。
昭和62年82歳で亡くなるまで、教育者、図書館人、作家として、3つの顔を持ち活躍されました。
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記念館は松林の中に建ち、「自由の館」(児童図書5,000冊所蔵)とよばれる別館が併設され、受付で申し込めば自由に読書を楽しむことができます。庭園には来館者を歓迎するように、椋作品の物語に登場する動物たちの石像が佇んでいます。

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館内では、椋さんの生い立ちがパネルで詳しく紹介され、執筆原稿、取材手帳の写し、関連図書などを手に取ってみることができます。希望すれば、生い立ちビデオ(10分程度)をマルチスクリーンで観ることもできます。作品アニメを視聴できるコーナーもありました。
生前執筆に取り組んだ書斎がそのまま復元されており、当時の様子を窺うことができました。


鹿児島県立図書館館長時代に提唱された「母と子の20分間読書」運動は「親子20分間読書」運動へと発展し、鹿児島から全国へと広がっていきました。今回来館して、椋鳩十さんが強い信念のもと、半世紀以上前に始めた読書活動の推進運動を絶やしてはいけないと強く感じました。

親でなくても、子どものそばに寄り添う大人が一緒に物語や科学の本を共有し、つながりを持つことが子どもの成長を助けることになるのではないでしょうか。


いただいた資料から椋鳩十さんの作品を紹介します。
(300を超える動物物語の中から代表作を動物の種類別に分類)
♡名犬編
「犬塚」「名犬 佐々木さんの話」「アルプスの猛犬」「太郎とクマ」「マヤの一生」

♡愛犬編
「犬太郎物語」「熊野犬」「愛犬カヤ」「遠山犬トラ」「トラの最後」「犬よぶ口笛」「弱い犬」「くろのひみつ」

♡野犬編
「王者の座」「消えた野犬」「野犬ハヤの死」「丘の野犬」「野犬の群」「草むらの目」「ずるい野犬」「白い野犬」

♡イノシシ編
「山の民のイノシシ」「カガミジジ」「栗野岳の主」「イノシシの谷」「イノシシの女王」

♡ネコ編
「のらネココマ子」「ネコ物語」「屋根裏のネコ」「ヤマネコ(佐々木さんの話)」「モモちゃんとあかね」

♡キツネ編
「金色の足あと」「ヤタギツネの親子」「赤い足あと」「赤ギツネ青ギツネ」「キツネ罠」「はらぺこ子ギツネ」「キツネものがたり」「ちょこまかギツネ鳴きギツネ」「ゆきこんこんきつねこんこん」「きつねをかんげきさせたまんじゅうや」」

♡クマ編
「クマの親子」「あばれグマ金こぶ」「月の輪グマ」

♡サル編
「子ザルひよし」「チビザル兄弟」「山へ帰る・サル異変」「山のいかり」「朝焼けの山」「野猿の島」「いだずらサル」「サルの島」「オリの中のサル」「野生の叫び声」「わがまま子ざる」

♡シカ編
「片耳の大シカ」「山のえらぶつ」「森の中のシカ」「子ジカほしたろう」「島のシカたち」「底なし谷のカモシカ」「たたかうカモシカ」「森の住人」

♡小動物編
「金色の川」「暗い土の中でおこなわれたこと」「アマミノクロウサギ」「クマバチそうどう」「ふるす」「三本足のイタチ」「三千院のアナグマ」

♡野鳥編
「二人の兄弟とゴイサギ」「アルプスのキジ」「キジとヤマバト」「大造じいさんとガン」「ああタカよ」「カイツブリばんざい」「ひなよ ごめんね」「ツル帰る」「最後のワシ」

♡小鳥編
「銀色の巣」「新しいふるさと」「白いオウム」「片足の母スズメ」「ああ公」「父とシジュウカラ」「羽のある友」「あらしをこえて」「ニワトリ通信」

椋鳩十さんは、動物文学以外にも多くの児童文学作品を残しておられます。興味のある方はぜひ足をお運びください。
庭園で緑陰読書を楽しむのもいいかもしれません...。

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訪問ありがとうございます。学校図書館や学校司書のことを多くの方に知ってほしいと思います。
追記
教科書に掲載されている作品をはじめ小学校の学校図書館で所蔵している程度は読んでいましたが、椋鳩十さんの著作がこれほどたくさんあることを、今回の訪問で知りました。動物に対する深い愛情と鋭い観察眼が椋鳩十作品の源であり、あの細やかな描写から読者は強いメッセージを受け取ることができます。
どれも胸を打つ作品ばかりですが、わたしは「マヤの一生」が好きです。犬好きというのもありますが、動物文学であり戦争文学であるこの作品から多くのことを学び心を揺さぶられました。毎年この時期に手に取り読み返しています。
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Comment

NoTitle 

 こんばんは。これまでも読ませていただいていましたが、コメントをするのは初めてでしょうか。

 以前、椋鳩十さんの「大造じいさんとガン」をブログで取り上げたことがあり(urlを貼っておきます)、興味深く読ませていただきました。大造じいさんと心を通わす残雪をはじめ、ガンの描写がなんと丹念なんだろうと思っていたのですが、椋さんは動物文学の書き手だったんですね。

 300を超える動物物語のリストがあるということでその数の多さに圧倒されています。私は「大造じいさんとガン」しか知らなかったのですが、他の作品も読みたくなりました。
  • posted by おともだちパンチ 
  • URL 
  • 2015.08/09 00:41分 
  • [Edit]
  • [Res]

おともだちパンチさん 

はじめまして。コメントありがとうございます。
わたしも今回の記念館訪問で、こんなに多くの作品があることを知りました。「大造じいさんとガン」はおともだちパンチさんがおっしゃるとおり素晴らしいと思います!
ブログの中で、わたしの椋作品に対する感想を記載していなかったことに気づき、追記しました。
  • posted by 象を抱く人 
  • URL 
  • 2015.08/09 10:09分 
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  • posted by  
  •  
  • 2015.10/19 12:55分 
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Author:象を抱く人
高校図書館で司書をしています。

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