わたしからあなたへ~学校司書のよろず日記~

日々の事、本の紹介や学校図書館にまつわる事など、よろずの事を綴っています。

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昔話の語り口を壊さず残していくために

昔話研究の第一人者である、小澤俊夫先生が開校されている「昔ばなし大学」の基礎コース(3年間)を修了し、昨年から再話コースを受講しています。
今日はその班別研究でした。

再話コースでは、基礎コースで学んだ語法をふまえて昔話の再話をしていきます。
再話とは、語るための文章に直すことです。
100名の受講者は、10名前後にグループ分けされ、班別研究で再話したものを発表します。
わたしたちの班が今、再話しているのは『鸛の江(こうのとりのえ)』という昔話です。

基礎コースで学んだ昔ばなしの語法はこちら↓

①一次元性
日常的登場人物と彼岸的登場者との間に、精神的へだたりがない。
例えば蛙がいきなり人間の言葉を話しても、登場人物は驚かない。

②極端性
例えば「白雪姫」で鏡は女王に向かって、「女王様、ここではあなたが一番美しい。けれども白雪姫はあなたより千倍も美しい」と言う。

③極端に語りながら、その実態は語らない
例えば、鏡は「千倍も美しい」と言いながら、どう美しいのか、美しさの実態は語らない。
「馬方やまんば」では、馬方が馬の足を一本ずつ切って馬に投げ与えるが、どうやって切ったか、切った結果、馬がどうなったかは語らない。

④平面性
例えば、「馬方やまんば」では、馬の足を切ったとき、血が流れたとは語らない。
馬の足を、骨のある奥行きのある立体的な足とは語らず、まるで切り紙細工の足のように平面的に語る。
主人公には精神的奥行きもないので、遠くへ出かけていくときには、主人公の主体的決心ではなく、外的刺激によって出かける。

⑤同じ場面は同じ言葉で語る
例えば、灰かぶりは宮殿の舞踏会へ三回行き、三回目に靴を失くす。それがきっかけで王子との結婚に至るのだが、グリムはこの三回の繰り返しをほとんど同じ言葉で繰り返している。

⑥時間、場所、状況、条件などの一致
例えば「いばら姫」で、ちょうど百年経ったときに王子が姫にキスをする。
「手無し娘」で、ちょうど子どもと母親がかくまわれていた寺の前で、父親が笛を吹く。





「昔ばなし大学」 基礎コースのテキストは小澤俊夫先生の著書『昔話の語法』(福音館書店)です。
CD(鈴木サツさんの語り)が付いています。

昔話は口で語り、耳で聞かれて受け継がれてきたため、独特の「語法」を持っています。
しかしながら、本当の語り手は減り、昔話の伝承は形を変え、絵本や再話本、アニメなどで伝えられているのが現状です。
先人から受け継いだ無形の文化財である昔話を正しく伝えていくため、小澤俊夫先生は全国各地で昔ばなし大学を開校しています。
子どもたちに昔話を手渡す立場にあるわたしたちは責任重大!
先人からいただいた宝物を壊すことなく未来へ残せるよう学び続けたいと思います。
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象を抱く人

Author:象を抱く人
高校図書館で司書をしています。

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